ナミナミ少女の日常

心の波が激しい女の子の日常。

スキップ

AM11:00、マリさんにおはようと言われる。いきなり手をグーの状態で差し出されたが、マリさんがそっと手を開き、出てきたのはキャラメル一粒だった。「マリさん、甘いもの断つんじゃなかったんですか?」と聞くと「キャラメル一粒くらいいいじゃない」とマリさんが言った。「でも買ったのはキャラメル一粒じゃなくて一箱です」と言うとマリさんは笑ってごまかした。
つい最近看護師さんに「ラジオ体操にでるようにします」と宣言してしまったため、毎日ラジオ体操をやる7時のときに看護師さんが起こしに来る。でも最近はなぜか疲れがたまっているようでうまく起き上がれない。朝食や薬を飲んだりセットしたりすることも億劫に感じる。ひどいときは午前も午後も、やることをこなしてから寝る。鬱っぽいときは眠くなるみたいだ。そういうときは寝ても大丈夫、夜眠れなくなることはないと経験上わかる。
ラジオ体操に今日も出なかったわね、とマリさんが言った。そうですね、起きられませんでした、と僕。「じゃあいまからやるよ!カセット借りてきて」とマリさんが言うが、これはマリさんのブラックジョークだ。ラジオ体操のこの動きすき、といいながらマリさんが片足ずつぴょんぴょん跳ねるが、足がもつれていてしんどそう。そのうちマリさんがスキップしだした。「スキップを廊下でして部屋まで帰ってくる間に誰にも見られなかったら100万円ね」と言ってマリさんは廊下でスキップして、ぐるっと廊下を回りナースステーションの手前で引き返してもとに戻ってきた。「ゆうかちゃんもやって」といつものちょっとした無理強いが始まったので、仕方なく恥ずかしいけど廊下でスキップをして、ナースステーション前で引き返そうとしたら、なんと小高主治医と遭遇してしまった。私はびっくりして走ってマリさんのほうへ引き返した。あー、恥ずかしいな、、、。「実はナースステーション手前で男性の看護師さん(佐藤さん)と目が合った」とマリさんがこぼし、ねぇそれ早く言ってくださいよっ、、トホホ。